医療費控除

医療費控除とは、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が年間で一定額を超えた場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。
本人の医療費のみでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のための医療費も含まれます。
医療費控除の対象となる医療費は、所得税法等に規程されている医療費で、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額でその年に支払われたものとされています。
よって、治療が年末行われていても支払いが年明けとなるような場合には、医療費控除は医療費を支払った年に行います。

眼科医に支払う治療費等で医療費控除の対象になるもの、ならないものが基本通達で例示されています。
例えば、レーシック手術は眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、医療費控除の対象となります。
角膜矯正療法という特殊なコンタクトレンズを装用することで視力を回復させる治療に係る費用も医療費控除の対象となります。

眼鏡の購入費用については、近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入されるものは視力を回復させる治療の対価ではないため医療費控除の対象とはなりませんが、 幼児の未発達視力を向上させるために装着を要するための眼鏡等で、治療のために医師の指示で装用するものについては、医療費控除の対象となります。
※(所令207所基通73-3)

歯の治療に関しても、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象になりませんが、インプラントや金歯、セラミックなどは現在一般的な治療として認識されていますので医療費の範囲内として認められます。
ただし、治療を目的としない、美容目的などの場合には対象となりません。
また、歯科ローンを利用した場合には、信販会社が立替払をした金額が、その患者のその立替払をした年（歯科ローン契約が成立した時）の医療費控除の対象となります。