平成27年1月1日以後の相続から相続税の基礎控除額が引き下げられる一方、最高税率は引き上げられることにより、相続税を払わなければならない人が増え、支払う税額が増えることが注目されています。
相続税を支払う人は相続全体の約4%と言われていましたが、この改正により1.5~2倍くらいに増えると言われています。
相続税に対する関心が高まってはいますが、相続では相続税の他にも深刻な問題があります。
それは、遺産分割です。
「相続」が「争族」になる
家庭裁判所に持ち込まれる相続に関する相談件数は年々増加しており、司法統計年報(平成21年度)によると、総相談件数のうち約3割が相続に関する相談となっています。
また、司法統計年報(平成22年度)によると、相続分割事件のうち74%が相続税と関係ない5000万円以下の遺産分割で揉めているそうです。
さらには、1000万円以下の遺産分割で揉めている件数で30%を占めています。
つまり、遺産分割で揉めるのは相続財産の大小に関係ないのです。
・相続人がそもそも不仲である。
・思っていた以上に相続財産があった。
・被相続人の老後の世話などの負担を特定の相続人が強いられていた。
など、相続発生時に均等分割では納得がいかないという相続人がいるケースも考えられます。
『ウチは皆仲がいいし、親の世話をしてくれたり、生前の寄与分等も考慮してちゃんと話し合いで決めれるはず!』と楽観視してはいけません。
兄弟姉妹で遺産分割をする際、兄弟姉妹は確かに仲が良くてもその配偶者同士ではどうでしょうか?
配偶者同士は赤の他人です。
常日頃からよくコミュニケーションをとって仲のいい関係であっても、いざ相続があった時に、法定相続分よりも少なくてもいいか?と言われれば、それぞれの家庭の生活を考えると法的に当然の権利を主張したくなるものではないでしょうか?
遺言書を作成すれば事足りるというものではありませんが、相続があった時には『争族』になるという可能性も考慮して、しっかりとした準備が必要ではないでしょうか?
エンディングノートを作成しよう
エンディングノートとは、自分にもしものことがあった時のために、残された家族等に対して伝えておきたいことをまとめておくノートのことです。
遺言書やエンディングノートで自身の明確な意思を残し、伝えることで争いを未然に防ぎませんか?
笑顔相続ノート(エンディングノート)には「片付け・病気・介護・葬式・お墓」などに関する考え方・決め方・伝え方が記載されています。
自身の思いを一冊のノートにまとめ、残される家族へ伝えましょう。
また、今までの自分の人生を振り返りながら、これからの人生をどう楽しく生きていこうかを決意する『人生をリスタートするためのノート』でもあります。
今一度、自身の財産を見直し、確かな遺言を作成するためにも笑顔相続ノートをご活用ください。
相続診断士・税理士による相続診断
相続診断ではまず相続診断士によるヒアリングシートの作成をします。
家族構成はもちろんのこと、不動産、株式の所有の有無、生命保険の加入状況等をお伺いし、現在の財産を把握します。
お伺いしたヒアリングシートを基に、税理士が相続診断書を作成します。
その結果、相続税の納税資金対策や節税対策が必要かどうかなどのアドバイスをいたします。